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COLUMN

ウォシュレットにあるビデって何?

今の日本人には身近なものになったトイレのウォシュレットには、様々な機能があります。でも、男性であればビデという機能がいったい何なのか疑問に思ったことがあるかもしれません。また、女性でも、海外では男女ともに使用する洗浄器具として認知されていることなど、意外に知らないことは多いのではないでしょうか。その歴史から日本以外の事情を知っておけば海外旅行をしたときに困ることが減りますし、使い方や効果を確認することで、より有効に活用できます。

ビデとは?意外に古い歴史

ウォシュレットの代表的な機能にビデがあります。その歴史は意外にも古く、諸説ありますが、古い説では17世紀まで遡ります。はじめは、フランスで家具として使われるようになったようです。少なくても18世紀にはすでに登場しており、フランスの画家・ルイ=レオポルド・ボワイーの「トワレ・インタイム」という作品には、ビデと思われる器具にまたがっている女性が描かれています。

当初は木で作られた椅子の形をしていたため、移動させることができる形状でした。語源はフランス語で子馬という意味ですが、これは、洋式便器とは逆の向きにまたがって使用する形状になっていたことに由来します。トイレや水道設備が整備される以前、排泄後の洗浄だけではなく、性交後の性器洗浄にも男女問わず使用されていました。

そのため、初期のものは寝室などに設置されていましたが、住居に水道が通るようになってからはバスルームに固定式のものを置くことが一般的になりました。最初に普及し始めたのはイタリアで、そこから南欧に広まっていったといいます。1975年にはイタリア・スペイン・ポルトガルで設置が義務化したほどです。現在では風呂も便器も高性能のものが出回っていますが、それに並べてビデを単体で設置しているホテルもあります。

日本においては、温水洗浄便座が普及した1980年代以降に広く知られるようになりました。それ以前もホテルの浴室に単体で設置されていることはありましたが、日本人の間で使用方法などが広く認知されていませんでした。そのため、口をすすぐために使ってしまうなど、誤った使い方をする人が大勢おり、ホテルの専門誌などで注意喚起がされていました。今では日本でもビデ機能がついたウォシュレット付きトイレを多く見かけますが、目的が変化しており、主に生理時の女性の性器洗浄に使われています。

ビデとおしりの違いは?

かつては、便座と蓋がない洋式便器のような形をしており、ビデ機能のみ持つ洗浄器具として単体で設置されることが多かったようです。その頃は、水をためて自分の手で肛門や性器を洗浄するものと、上向きの水栓から水や温水を噴射して肛門や性器を直接洗浄するものがありました。今では日本においてウォシュレットの名称で広く知られている温水洗浄便座の主な機能に、おしりという機能があります。これらはいずれもウォシュレットのシャワーノズルから温水を噴射し、対象範囲を洗浄する役割があります。

では、ウォシュレットにおける両者の違いは何かというと、前者は主に女性が排泄後の洗浄に使うものであり、特に生理時はよく使われています。それに対して、後者は排便後に男女問わず肛門を洗浄するために使うものです。そのため、ビデとおしりでは主な使用目的と使用者が違います。使用する部位の位置が違うため、温水が出る角度も違います。そのため、便座に深く座れない子供の肛門の洗浄に使うという人もいるようです。

例えば、海外映画などの中で、ビデという聞き慣れた名称で見慣れない器具が映し出されることがありますが、これは異なる歴史的・文化的背景を持っていることによるものです。多くの物は形状や性能を変えて進化していくので、同じ名称でも必ずしも同じものを指しているとは限りません。元々は肛門と性器を洗浄して男女問わず使用されるものでしたが、日本のウォシュレットでは機能を分化しており、女性器洗浄に特化したものと、肛門洗浄に特化したものにわけて活用しているのです。

ビデの使い方と効果

元々は排泄後や性交後の性器洗浄や、生理時の女性の性器洗浄に使われていましたが、日本のウォシュレットにあるものは主に生理時の女性の性器洗浄に使われています。排泄後にボタンを押して、シャワーノズルから噴射する温水を外陰部に当てることで洗浄します。こうすることにより、外陰部に付着した経血を除去し、生理時の不快感を解消することができます。その後はトイレットパーパーで水分を除去したり、乾燥機能があるウォシュレットであれば、温風で乾燥させることができます。

ここまではよく知られていることですが、他にも、産前・産後の女性器にも効果的だといわれています。妊娠すると、女性の体は胎児を守るために大きく変化します。そのうちの一つにおりものの増加があります。これは膣内に細菌が侵入することを防ぐためですが、おりものの量が増え過ぎると不快感にもつながります。

そこで、外陰部を洗浄して清潔に保ち、不快感を軽減することが効果的です。産後については、生理が一定期間止まりますが、しばらくは子宮や膣から血などが混じった分泌物である悪露が出る状態になります。生理時の経血のように、悪露もトイレットペーパーだけでは拭き取りづらいので、この不快感を解消するためにも効果的です。

また、出産によりダメージを受け、産後の体はいつも以上に弱った状態になるので、外陰部から膀胱炎や腎盂炎などの病気に感染しやすくなってしまいます。産後は、特に性器は清潔に保つ必要があります。ちなみに、避妊にも効果があるという情報を聞いたことがあるかもしれませんが、実際は避妊には効果がありません。

まとめ

ビデは17世紀フランスに起源を持ちます。今でもヨーロッパでは、排泄後や性交後の性器洗浄のために、男女問わず使用されています。日本においては、ウォシュレットの代表的な機能のひとつとして広く知られるようになり、おしり機能と同様にウォシュレットのシャワーノズルから温水を噴射し、対象範囲を洗浄します。日本では元々ヨーロッパで使われていた機能が分化し、排便後の洗浄にはおしり機能を、主に生理時の女性が排泄後の洗浄に使うものをビデ機能としています。この効果は、外陰部の経血などを除去することにより清潔に保ち、不快感を解消することです。また、産前・産後の女性器を衛生的に保つためにも効果的です。

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